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SaaS, IaaS, PaaSの違いと話題のiPaaSを解説:○aaS(ナントカ・アズ・ア・サービス)系、いくつ知っていますか?

クラウドという言葉は、今ではテレビCMでも聞かれるほど一般化されましたね。日本政府の行政サービスもクラウドサービスのひとつであるAmazon Web Services(AWS)を採用するなど、多くの企業や組織で活用が広がっています。今回は、どのようなクラウドサービスがあるかご紹介します。

そもそも「クラウド」とは

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クラウドをざっくり表現すると「コンピュータで行ういろいろな作業や機能を、インターネット経由で使いたいときに使うことができるサービスの総称」です。日常生活で使われているクラウドサービスの例を挙げると、LINEの音声通話機能、表計算ができるGoogle スプレッドシート、ファイルを保存・共有できるDropboxなど、さまざまなサービスがあります。ポイントは、簡単に使い始められて運用の費用や負担が少ないこと。今後いろいろな企業で利用が進むと言われています。

またクラウドサービスは、サービスの範囲によってカテゴリ分けがされています。このカテゴリを頭に入れておくことは、今後どんどんクラウド利用が浸透する上で有用です。具体的にはSaaS、PaaS、IaaS、iPaaSといった言葉になりますが、これらの言葉の意味をしっかり理解して、もやもやしたクラウドの知識をクリアにしましょう。

 

SaaSとは

SaaSとは「Software as a Service」(サース/サーズ)の省略形です。ソフトウェアをPCにインストールしなくても、インターネット上でソフトウェアの機能を利用できるサービスです。

 以下にSaaSをいくつか紹介しましょう。

 

Dropbox

クラウド上にファイルやフォルダなどを保存できるSaaS型ファイル保存サービスです。アプリケーション版やスマートフォンアプリも用意されているので、いろいろなデバイスから保存したファイルにアクセスできます。Dropbox上に保存したファイルやフォルダを第三者と共有することもできます。

Zoom

Webミーティング用のSaaS型サービスです。PC、スマートフォン、タブレットなどを通して複数人でビデオ通話が行えます。また画面共有機能があるため、プレゼン画面を共有しながらミーティングもできます。オンラインミーティングに参加する場合もURLをクリックすればすぐにつながるなど、手間なく会議を設定できる点が人気です。

Slack

社内やチームで利用できるSaaS型チャットサービスです。チャットは昔からありましたが、Slackは複数人のコミュニケーションで威力を発揮します。例えば、ある議題に対して、特定のメンバーのみで連絡を取り合いたいと思ったら、そのメンバーを対象にしたチャンネルを作成し、あとはそこに投稿すればメンバー全員がそれを読めるようになります。また投稿されたチャットはログとして保存されているので、途中からチャンネルに入っても過去のログを見ることで、すぐに話題に追いつけます。ログの検索やメッセージに対し絵文字のリアクションなども可能で、コミュニケーションを効率よく行えるのが特徴です。社外のメンバーをチャンネルに招待することもできます。

Trello

ひと目でわかるカンバン方式を使った、SaaS型のタスク管理サービスです。カンバン方式とは、「必要なものを、必要なときに、必要なだけ作る」ことを目的としたトヨタ自動車が開発した生産管理の方法です。Trelloでは、プロジェクト内のいろいろなタスクをカードに描き、そのカードをドラック&ドロップで画面上のボードに配置し、タスクそのものやプロジェクト全体の管理が行えます。わかりやすいインターフェースと、SlackやTeamsなどいろいろな外部サービスと連携できる柔軟性を持ち合わせています。

 

PaaSとは

PaaSとは「Platform as a Service」(パース)の省略形で、クラウド上にアプリケーションが動作する環境を提供してくれるサービスです。開発ツールやデータベースといった開発環境も含まれていますので、迅速にシステム開発に取り組むことができます。

 以下にPaaSサービスを紹介します。

 

Google App Engine

Python、PHP、Java、Go言語で開発したWebアプリケーションを、Googleのインフラ上で実行できます。Google の強固なインフラを使えて、アクセスが急に増えても自動的にスケール(拡張)してくれるバージョン管理も可能など、安定稼働できるのが魅力です。

  

AWS Elastic Beanstalk

アプリケーションのデプロイ(展開・配備)や管理ができる、AWSのPaaSです。インフラの専門知識を習得する必要なく、EC2やストレージのS3、ロードバランサーなどの準備をし、Webアプリケーションを素早く稼働できる環境を提供します。


IaaSとは

IaaSとは「Infrastructure as a Service」(イァース/アイアース)の省略形で、クラウド上に、CPU、メモリ、OS、ストレージ(ハードディスクやSSDの意)、ネットワークといった、コンピュータの重要な各種機能(リソース)をマルっと提供してくれるサービスです。ユーザーは使いたいリソースのスペックを自由に設定でき、その上でアプリケーションの開発などを行います。 

ちょっと難しいですが、具体的にIaaSサービスを紹介します。(「こんなのがあるんだー」と参考程度になれば!)

 

Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)

AWSのIaaSサービスです。クラウド上にLinux、Windows、CentOSなどの多数のOSベースの仮想サーバー(インスタンス)を構築することができ、ログインから数分でインスタンスを起動できるのが特徴です。AWSにはネットワークやドメインネームシステムなど、コンピューティングリソース以外のインフラもサービスとして提供されています。

  

Microsoft Azure IaaS

Microsoft社のクラウドサービス「Azure」(アジュール)には、いろいろなサービスがあり、Azure VirtualMachine(インスタンス構築に利用)にネットワークとストレージのサービスなどを組み合わせるとIaaS同等の仕組みを構築できます。

 

 

いま話題! iPaaSとは

最後にiPaaSとは「Integration Platform as a Service」(アイパース)の省略形で、企業内でバラバラに使われている個別のサービスをつなげて自動化できるプラットフォームを提供します。例えば、請求書はBoxに保管、顧客情報はSalesforceで管理など、企業内で多様なツールが共存することが多くなりました。このままではデータの統一管理が難しく、ツール間を繋ぐのは結局人の手でやらなければならなかったりと、全体としての効率化が望めません。そこで、これらツールをつなげて統合・統一管理するためにiPaaSが登場しました。

iPaaSは各サービスとAPIを使って連携しデータをやりとりします。以下にいくつかiPaaSを紹介しましょう。

 

Power Automate

Microsoft社のPower Platformのひとつで、社内のいろいろな業務の流れの自動化をサポートします。「新しいアイテムが追加されたら承認メールを送る」など、よくある作業にはテンプレートが用意されているので、一般ユーザーでも簡単に自動化の設定ができます。Microsoft社製のツールはもちろん、Salesforce、Google Drive、Dropbox、Slackといったサービスと連携ができます。


Workato

オンプレミスとクラウド環境で利用できる400以上のアプリケーションを統合し、プログラミングのスキルを持たない一般ユーザーでも、かんたんに定型作業を自動化できます。またWorkatoのコミュニティからは、自動化手順が記載されたレシピが22万件以上提供されているので、自社にマッチしたレシピを探して活用することもできます。Slackとの相性も良く、Workatoのbot機能を使えば、Slack対話型のChatOps(チャットツールをベースにシステム運用を行うこと)な使い方も可能です。


Zapier

Zapier複雑なプログラミングの知識なしで、簡単にアプリケーションやサービスを連携できます。Googleスプレッドシート、Gmail、各種SNSなど約3,000種類以上を組み合わせられます。Gmailに添付書類があるメールが来たら、添付書類をDropboxに保存し、SlackからDropboxでファイルを保存したというメッセージをもらう、というような自動化を容易に行えます。


まとめ

上述したようにクラウドサービスは、簡単に使い始められて運用の負担が少ないことから、今後ますます注目されることでしょう。これらを活用することで、働き方改革や業務効率化に繋がり、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が大きく前進することが期待できます。

引き続きクラウドサービスにまつわる情報や活用術を発信していきますね!


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