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"「書く力」が会社をよくしていく"「ドキュメントドリブン」 メドレー社の働き方

「医療ヘルスケアの未来をつくる」をミッションに、テクノロジーを活用した事業やプロジェクトを通じて「納得できる医療」の実現を目指す株式会社メドレー(以下、メドレー社)。同社 の行動原則 の一つに「ドキュメントドリブン」があります。

ドキュメントドリブン
仕事を始める際にドキュメントを先に書き出し、それを駆動力として活用して自らやチームを効率的に動かします。ドキュメント化されていないことにより多くのメンバーが同じことを1から考えたり、読めばわかることを口頭伝承したりするような時間の浪費を予防します。ドキュメントもシンプルで無駄のないものを志向することで、将来のチームの生産性にも大きく貢献します。

https://www.medley.jp/team/culture.html

メドレー社は、組織パフォーマンスの継続的な最大化を目指すための手段の一つとして 、2018年にアトラシアン社の社内wiki「Confluence(コンフルエンス)」をリックソフト経由で導入しました。導入時のエピソードはこちら

導入当時、社員数は230人程度でしたが、2022年6月時点の社員数は 約800人以上と急成長を遂げています。そしてすべてのメンバーが、Confluenceを活用して業務を行っています。

全社に共通するルールや規定などをまとめたページ例

メドレー社のConfluenceには、業務における業務手順 、企画立案・施策検討、定例ミーティングのアジェンダや議事録といった社内のあらゆる業務情報が集積されています。 そんな 同社に入社した、入社1~2年目のメンバー3人にお話を聞きました。

組織をよくするために、書き残す。

ー「書き残す」って、ハードルが高い?

Confluenceのような社内wikiとも呼ばれるナレッジ共有システムは、導入して終わりではありません。全従業員が書き込み続けて初めて威力を発揮するものです。失敗ケースとして、「誰も書かなくなり、残っている情報が古くなる」「書くハードルが高い」というのが挙げられます。

「企業内に残すドキュメントなので、”間違いがない文書が書けているか? ”分かりにくい文章で、読む人の時間を奪っていないか?”という不安があって、公開するときに勇気がいりました」と話すのは人事担当の大川さん。

しかし、チーム内のメンバーからのコメントや指導を受け、経験値の上昇とともにハードルは下がっていったそうです。
「ドキュメントドリブンのポイント は、”ちゃんとした文章を作る”に拘るよりも 、”組織全体としての生産性を上げるためにドキュメント化する “というところに目的意識を持つ点 です。そんな前向きな気持ちで、お互いにフィードバックしている人が多いような気がします」

ー「過去の記録」が、未来の判断材料に

プロダクトマネージャーの矢野さんは、過去の担当者が書いた施策検討のログに助けられた経験があると話してくれました。
「担当している医療ヘルスケア分野における日本最大級の求人サイト「ジョブメドレー」 は、2009年開始の歴史があるプロダクトです。長年積み重ねてきた施策の効果が今の成長に繋がっているのですが、Confluence内にはこれまで実施したものもそうでないものも、その判断に至るまでの調査結果や検討経緯が残されています。
そのため、過去に実施しなかった施策でも「今なら前提条件が異なるから実施してみよう」と判断することができたり、うまくいかなかった施策も「ここの部分を変更すれば成功するかもしれない」と判断することができるなど、施策を企画する時に考慮すべきポイントに事前に気づくことができます。

他人の記憶に頼ることなく、自ら情報を探しにいけるという点でも、とても助かっています」

ー効率的に書き残すことのできるUIのおかげで 「”考えること”に集中できる」

メドレーの戦略に即したM&Aの実行・グループ会社の事業計画実行がメインという久間田さんは「Confluenceはスピーディーに、合理的なドキュメントを残すことが可能なので、本来時間を使うべき”考えること”に集中できる」とメリットを話します。
以前は外資系のITコンサルティング企業に勤務していたという久間田さん。
” コンサルティングあるある” かもしれませんが「アウトプットは基本的にパワーポイントという文化でした。しかしパワーポイントは要点のみの記載が好まれるため、細かな論理を伝えるには不向きです。また、美しく体裁を整えることに時間がかかるところも難点です。

一方でConfluenceは、ナラティブな形での記述が可能なので、読み手の理解度のギャップを少なくすることができます。さらに見出しなどのスタイルが統一されており、直感的かつスピーディーに操作ができるため、華美な資料を作成することを目的化せず、気軽に作成できるところが魅力です」

人が増えていく企業こそ、効果を発揮する。

ー土壌があれば、人がどんどん増えていく企業でこそ効果を発揮する

久間田さんはM&A担当としてPMIを推進する役割も担っています。
「当社グループに仲間入りした企業は元々の規模もバックグラウンドも様々なため、文化や習慣を浸透させていくためにはもちろん時間も努力も必要です。ドキュメントドリブンな文化についても地道な啓発活動を行っていく中で、それまで「自分の知識・経験をどうにかして誰かに継承したい」と思っていたメンバーや「組織を作っていきたい」という思いで新たに入ってくれたメンバーが、自らの意思で徐々にConfluenceにナレッジを蓄積してくれており、組織成長とともにConfluenceの内容も充実し始めていると感じています。」

ーオンボーディングでも「書いて始める 」ドキュメントドリブンの”考え方”をインストール

メドレー本社には、毎月10~20人もの人が入社しています。その入社手続き・オンボーディングでも、PCのセットアップ方法から部門ごとに読むべきものをConfluence上にまとめたページが作られています。

Confluenceの使い方のみならず、導入の狙いや組織文化に関する大切な考え方などをまとめているページも

人事部門として様々な部門のオンボーディングに同席した大川さんによると、ある部門ではオンボーディングで「まずはConfluenceでまとめてみる」というチュートリアル的なプログラムを取り入れている そうです。
「入社後に取り組んでいただく業務に関する情報を調査してConfluenceにまとめる、というタスクをオンボーディングプログラムに取り入れています。
メドレーに入社するメンバーのバックグラウンドは様々で、社内Wikiという存在にはじめて触れる方も少なくありません。もちろんこのタスクの一番の目的は業務理解ですが、実際にConfluenceに触れていただくことで、操作を覚えるだけでなくわかりやすい構成や表現について考えるなど、ドキュメンテーションを大事にしているメドレーのカルチャーを知っていただく良いきっかけになっています。」

こういった経験を通して、“Confluenceに書く”ことが自然と身につきそうです。 

話を聞いてー

メドレー社のConfluenceの設計・運営ルールは非常に高度で、同社のドキュメントドリブンの哲学は一朝一夕でマネできるものではありません。
しかし、メドレー社同様、急激なスケール期に入り、社員の入社が相次いでいる組織にこそ、知識の属人化を妨げ情報をオープン化するツールは必須ではないかと感じました。新入社員は、誰が情報を持っているのか・どこに聞けばいいかわからなく、情報を探すための手がかり探しに時間をとられてしまいます。情報がオープン化されていると、そういった手間や困惑はなくなります。
 
聞き手の堀田は今年3月にリックソフトに入社し、Confluenceを使い始めたばかり。「情報がオープンになっている組織ってすごく働きやすい」と実感しており、みなさんの話に共感しながら話を聞きました(これは一度体験してみないとわからないものかもしれません)。
 
一方、「書くことのハードル」といった話、導入前の設計の重要性を考えさせられました。
 
企業の風土や制度によって、新しいITツール導入の施策は異なります。リックソフトでは、オンボーディング支援やカスタマーサクセスチームが、企業の最適な方法をいっしょに探していきます。


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