【インターネットにつながってなくても使える】NASAがSlackの代わりに使うビジネスチャット「Mattermost」を知ってほしい。
リックソフトnoteで小技や使いこなし術を紹介しているビジネスチャットツール「Slack」。無限に追加できる絵文字でチームの心理的安全性を高めたり、ワークフロービルダーで仕事を効率化できるクラウドサービスです。
noteユーザーの中には熱烈なファンもに多く、先日note社のUさんが「この世の企業みんなslack使ってほしい」と過激な(?)発言もしていました。
「うち、自社回線でしか動かせないから、インターネット接続が必要なサービス使えないんだよね..」
「プライベートクラウド(自社内で閉じたAWS等で運用する)なら使えるんだけど」
そんな組織にいる人に向けて、リックソフトが推すslackと似た機能を持つセルフホスト型チャットツール・Mattermost(マターモースト)をご紹介します。オンプレミス、プライベートクラウドでの運用が可能です。
「クラウドサービスが使えない企業」はslackも使えない
クラウドサービスの最大のメリットは、システム構築・運用のコストが省けることです。しかし、インターネット回線を経由して外部と接続を前提としている仕組みなので、不正アクセスや情報流出の可能性がないとは言い切れません。
また、データ保管の物理的な場所(クラウドのリージョン)を明かしていないサービスや、データ保管場所が日本国外しかないというサービスもあります。Slackがリージョンを日本国内対応したのは、2020年3月と割と最近のことです。
クラウドサービスが普及する以前、企業はサーバを持つ場合、自社内に物理サーバルームを置き、社内で自前運用していました。オンプレミスといわれるものです。ネットワークが外部と切断しているので、不正アクセスのリスクはありません。
非常にセキュリティ意識が高い企業・組織
データを社外に置きたくない企業・組織
インターネット回線に接続せず、組織内回線でしか動かない環境にある組織
こういった組織は、クラウドサービスの導入はできません。
総務省が行った調査によると、2020年の時点で日本国内の企業16.2%が「クラウドを利用してはいないし、今後も利用していない」と回答しています。
NASAが使うコミュニケーションツール、Mattermost
Mattermostはオープンソース(OSS)で開発されているSlackライクなビジネスチャットツールです。「Slackのクローン」とも呼ばれています。
もともと「SaaS型のチャットツールを使うとデータが外部に置かれてしまう」と悩んでいたゲーム会社によって開発され、その後オープンソースプロジェクトとして公開されました。
柔軟なセキュリティポリシーがウリのMattermost
オンプレミス環境で運用できるため、企業・組織のセキュリティポリシーや運用ポリシーに合わせて利用することができます。例えば、Slackは年齢制限が16歳未満の利用は制限されている一方、Mattermostは特に設定されていません。学習塾や教育機関での利用ができそうです。
導入企業は、シンガポール国立大学、米国の株式市場ナスダックと、いかにもセキュリティに厳しそうな企業・組織がならびます。
2021年には、NASAや米国国防省がコミュニケーションツールをJabberからMattermostに変えました。MattermostのIan Tien CEOが、火星ヘリコプタのインジェニュイティ着陸ライブ動画で、NASAスタッフのPCにMattermostの通知バッジ付きのアイコンが並んでいると言及しています。
slack同様、利用プランは無料から
Mattermostは3つのプランを提供しています。
Starter:Slack同様、基本的なチャット機能を備えた無料版(セルフホストが前提)
Professional:企業利用で必要なセキュリティ、コンプライアンスおよび各種サポートを備えた有料版
Enterprise Edition:さらに大規模な企業で使う前提の有料版
slack同様、絵文字のカスタマイズ、画面共有もできるビデオ通話、メンバー追加、複数ユーザーのグループチャット、チャンネルやダイレクトメッセージ機能・履歴の検索、添付ファイルといった機能があります。(一部アドオン追加で利用可能)
わたしたちリックソフトはiPaaSの「Workato」とMattermostのコネクタを開発しており、Workatoを通して1000以上の外部アプリと連携させることも可能です。
21年10月にワークフロー&カンバンも追加
さらに、2021年10月のアップデートでは、
slackのワークフロービルダーに似た定型ワークフローを管理する「playbook(プレイブック)」
カンバンボードのような「Board」
の機能が搭載されました。以前、これらの機能はアドオン対応でしたが、基本機能として実装されています。
Boardはslackにない機能です。各チャンネルにTrelloのようなタスクボードがつきます。
各チャンネル=プロジェクトとすると、タスクごとの担当者や期日を設定でき、チャンネルで情報共有、ボードでプロジェクトの進捗管理、という使い方ができます。
Trelloのように「個人タスク管理用」「ミーティング議事録用」などのテンプレートもそろっており、もちろんカスタマイズも可能です。
オンプレミスのチャットツールをお探しという方は、ぜひ検討候補に入れてみてください。