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社内情報共有の不完全さが招く「組織のサイロ化」について考えてみた

DXのコアであるデータ活用で、企業を活性化させようという動きが加速しています。ですが、実際にDXを始めてみると、意見のすり合わせができていなかったり、データの整合性がとれていなかったりなどの課題が生じることも多いです。つまり意思疎通に問題ないと思われていた社内が、意外にも「サイロ化」することで生産性を落とす要因になることも。組織のサイロ化をどのように解決すべきかについて考えてみます。

また今回の記事は前回の「なぜ、社内情報をオープンにする必要があるの?」の続きになります。よかったらこちらの記事もあわせて読んでみてください。


組織のサイロ化とは

そもそもサイロとは、家畜の飼料である米や麦を貯蔵する円筒形の容器のことを言います。各サイロは互いの中身が混ざらないように独立しています。それが転じて、企業内で各部門が縦割り構造や連携する意思がないために孤立している様子を指すようになりました。

「隣の部署が何をやっているかわからない、知らない」と感じたら、それは組織のサイロ化が進んでいる予兆かもしれません。この状態だと、情報資産の一元管理が困難になる、スピーディかつタイムリーに情報共有できない、情報が属人化するなど、さまざまな課題が生じます。DX推進の一環で社内のあらゆるデータを有効活用しようとした結果、組織のサイロ化が露呈してしまったケースもあります。


組織のサイロ化が及ぼす影響

組織のサイロ化が進み情報の流れが滞ってしまうと、どのような影響が出るのでしょうか。

生産性の低下

顧客サポート部門の情報が生産現場にうまく伝わらないと、生産性は下がります。たとえば、クレームや改善点の要望といった顧客から入手した情報をサポート部門と生産現場との間で共有できなければ、製品の改良が進まず、必然的に生産性は落ちていきます。


チームワークの欠如

チームワークは普段の情報共有から生まれます。もし手順書や的確な情報・アドバイスをもらえない状態で業務に失敗したら、多くの場合は「失敗はチームのサポート不足が原因だった」と考えるでしょう。このような状態では、チームワークは期待できません。


コミュニケーション不足

業務を円滑に進めていくうえでは、事業所や部門、職種といったヨコのつながりだけでなく、上司、同僚、部下といったタテのつながりが求められるなど、複数の部署や社員がかかわってきます。コミュニケーションが取りづらい環境にあれば、いざというときに連携が取れなくなり、情報共有も進まなくなるので、常日頃から社内コミュニケーションを意識しておくのが重要です。


心理的安全性の低下

チームワークの欠如とコミュニケーション不足に続くのが、心理的安全性の低下ではないでしょうか。
情報共有の不足において、特に気を付けるべきは「心理的なダメージ」です。情報が与えられない、求めても反応が薄いという状況が続けば、人は「信用されていないのでは?」と疑念を持ちます。また、何かを相談したときに「そんなことも知らないの?」と返されると、次から声をかけてみることを躊躇してしまうかもしれません。一度そのような状況に陥ると、なかなか元に戻ることは難しいことがあります。


作業の属人化の加速

新しく何かの作業に取り掛かる際に、いつでも確認できる場所に手順や気をつけるべきことなどが共有されていないと、うまく作業をこなすことは難しいですよね。「この仕事は、◯◯さんしかできないよね…」という状況を解消していく必要があります。


社内情報共有の活性化は、企業の価値向上につながる

情報共有を活性化させるためには、実際にどのような対策を取るべきでしょうか。

社内であいさつが少ないようなら、まずあいさつから始めましょう。テレワークなら、社内チャットでみんなに「おはよう」を伝えてから作業に取り掛かるのも良いかもしれません。次に、社内の簡単な情報共有、いわゆるみんなに役に立つ情報の共有を進めましょう。

このようにして、社員に情報発信の癖をつけさせれば、あとは自然に業務の情報共有が進むはずです。情報共有のきっかけは、日常の出来事や些細な相談などから十分です。多種多様な情報を共有するなら、それに特化したデジタルツールを活用するのも手です。

Confluenceで1つのプラットフォームで社内のあらゆる情報を一元管理

情報共有を加速させるには、すべての関連する情報を1箇所に集めることが重要です。そのため情報共有に使うデジタルツールは、ファイルや画像、テキスト、チャットメッセージなど情報の種別にかかわらず対応できるものが良いでしょう。

社員全員が必要な情報を探せる・アウトプットできる環境を構築

社内のナレッジやノウハウの共有には、アトラシアンが提供する情報共有ツール「Confluence」がお勧めです。

たとえば、ITエンジニアやクリエイターを多数抱えるプロダクションでは、Confluenceでプログラミングのためのナレッジを集め関連スタッフと共有し、プロジェクトリーダーはプロジェクトの情報を1箇所に集めて管理するなど、社員の業務によって異なるジャンルの情報を一元管理しています。またConfluenceでは、企画・議事録・手順書・ノウハウなどさまざまな種類のドキュメントを溜めていけるため、それがプランニングに役立つこともあったそうです。


情報はどこで誰の役に立つかわかりません。あなたの生の経験談を、他の社員がナレッジとして役立てることができる可能性は高いでしょう。まずは”書いて共有する習慣”をつけるところからスタートし、ゆくゆくは情報共有の文化が定着化することをゴールに取り組んでみてください。

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