「リモートワークでは必須の存在」 シックス・アパート社 壽かおりさん
JiraやRedmineなどチケット管理ツール(バグ追跡ツール,BTS)を使って仕事をされている人にお話を伺う「チケット駆動ワークスタイル」。2回目はCMSプラットフォーム「Movable Type」を提供する「シックス・アパート」社の広報である壽(ことぶき)かおりさんにお聞きします。「リモートワーク大全」の著者でもある壽さんにとって、チケット管理システムとはーーー??
開発チームにチケット管理(バグ追跡ツール、BTS)は無くてはならないツール
Q:はじめてチケット管理ツールを使ったときのことを教えてください。
A:バグ追跡ツール(BTS)もチケット管理ツールの一種と考えると、キャリアの初期からずっと使い続けています。
2005年ごろ「(”Operaブラウザ”の)Opera Software Japan」でマーケティング・コミュニケーション担当として働いていた頃には、発見したブラウザの不具合をエンジニアに報告するときに使っていました。
さらにその前職では、エンジニアとして働いていたこともあったため、開発プロセスの中でのBTSの重要性は認識していました。
バグを報告する際には、バグの詳細(発生した事象・発生した環境・期待する結果・再現方法)の情報が必要です。報告を受け取ったエンジニアが対応の優先順位を決めて、担当者をアサインします。エンジニアから発生条件などの追加質問があれば回答し、バグの修正後はQA(品質管理)メンバーが動作確認を行った上でデプロイされます。
BTSがあれば、この一連の流れがまとまるし、他にどんなタスクがあり誰が担当しているのか一目瞭然です。チケット管理のワークフローに取っつきにくさを感じたことはなく、「開発チームに、BTSは絶対必要!」とすんなり受け入れることができました。
チケット管理の考え方を応用して自分の業務タスク管理もツールで行っていました。当時は、「remember the milk」を愛用していました。
他部署への依頼時は「Redmine」でチケット発行が定着
Q:現在は組織単位ではどんなツールを使っていますか?
A:現在所属しているシックス・アパート社でも、チケット管理ツールを業務に活用しています。
チーム毎にツールは異なりますが、例えば以前オウンドメディアのチームではTrelloを記事毎の執筆進捗管理とコンテンツカレンダーとして使っていました。カンバン形式で、企画段階・執筆中・公開待ち・公開済みと記事毎の進捗がわかりやすく、非常に便利でした。
他にも、社内の別チームに業務タスクを依頼する際に Redmine (レッドマイン)を使っています。例えば、デザインチームへウェブページの追加・更新やデザイン素材作成依頼、ITチームへ業務ツールの設定依頼時などに、Redmineでチケットを発行しています。
説明欄に内容を詳しく書き、期限や優先順位を設定し、担当者をアサインして依頼、作業完了を確認したら「完了」というステータスに変更しチケットをクローズする、といったごく一般的な使い方です。
また、過去の依頼内容を再読することもよくあります。前回依頼時の経緯を読めば、作業途中にデザイナーから聞かれた質問がわかります。次の依頼時には、その情報を最初から含めておけば、互いによりスムーズに業務を進行できます。
シックス・アパートでは10年以上Redmineを使っていますが、基本的な使い方は全く変わっていません。インターフェースも慣れているので、これからも迷いなく使っていけると思います。
チケット駆動ワークスタイルは、リモートワーカーに不可欠
私のチケット管理でのタスク管理ツール(BTSツール)の利用歴はかれこれ15年以上となり、業務ツールの一つとして欠かせない存在です。
大小さまざまなタスクをチケット化して、チームメンバーと分担しながら進めています。チケット管理ツールを見れば、誰が今どのくらいのタスクを担当しているのが一目瞭然なのは、メンバー全員にとって便利だなと思います。
また、チケット管理ツールを使ったワークフローは、テキストや画像や動画でコミュニケーションを取りながら、非同期で仕事を進められるのも大事なポイントです。これは、バラバラの場所で働くリモートワーカーにとっても必須のスキルです。
シックス・アパートは、2016年の夏から全社員が自由な場所で働くフルリモートワークの働き方「SAWS」を始めました。初期の頃、私たちシックス・アパートのメンバーが比較的スムーズに、対面ではなくオンラインのツールを駆使して業務を進められたのは、チケット駆動ワークスタイルに慣れていたからかもしれませんね。
もともとエンジニアだった壽さんにとっては、チケット駆動ワークスタイルはすんなり馴染んだそうです。
「誰が今どのくらいの作業量があるのか一覧できるのはメンバーの誰にとっても便利」
これは非エンジニアにとっても、どんな業務を担当するチームでも、ある程度規模の大きくなったチームには言えることではないでしょうか。
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