Workatoってなに?もっと知りたい人向けにフカボリ解説します<10分版>
前回の記事の続きです。「Workatoについて少しはわかったけど、具体的になにができるの?」「誰が使うの?」「どんなことができるの?」という人に向けて、さらに解説します。
*iPaaSは、Integration Platform as a Serviceの略です。SaaS同士やオンプレミスと統合(インテグレーション)するプラットフォームです。
できること1:人力作業の自動化
昨今、SaaS(クラウドサービス)が増えて、いくつものシステムを「すぐに」「カンタンに」利用できるようになりました。
その反面、SaaSのサービス毎に同じ情報を何度も入力したり、情報が分断して活用できなかったりといった、ちょっと不便を感じることもありますよね。
iPaaSであるWorkatoは、その時間・労力を省く仕組みを、ノーコード・ローコードで構築することができるツールです。
SaaS同士・またオンプレミスのシステムの連携・統合は「データをCSVにエクスポートして取得」「別システムにインポート」といった人力の作業を挟めばできます。それを人力から脱却し、自動でやってくれるのが、iPaaSです。
できること2:都度開発&API依存からの脱却
必要に応じて、自社内でデータ自動化システムを開発または、外部依頼して発注しているチームもあると思います。その仕組みだと、連携データの項目変更の度にメンテナンスが発生してしまい、実装までの開発工数がかかります。
システム間を自動連携したい
IT側リソース状況によるスケジュールに左右されたくない
IT人材の不足が深刻な現在の状況下において、時間や費用をかけた開発はできない
ビジネス部門が簡単に構築やメンテナンスできるようにしたい
「本当は連携させたい項目があるけど...」工数・費用・稟議・依頼・社内調整などさまざまなものが障壁となって、手動でしのいでいる方(が多い企業)におすすめなのが、iPaaSです。
例:新入社員人数×利用SaaS分=IDの大量作成? その作業、自動化できます
ある企業が、新入社員を30人迎えることになりました。その企業で全社員が利用するSaaSは、Googleアカウントから始まり勤怠、経理・精算、ビジネスチャット、ウェブミーティングなどあわせて12個。さらに営業・カスタマーサクセスに配属される社員には名刺管理ツールや顧客管理システム、経理・会計配属社員には出張管理システム、決済代行システムのアカウントを付与しなければなりません。
いったい何回の「新規アカウント登録」作業をしなければならないでしょうか。社内の業務部か、人事部か、総務か、情報システム・IT管理部門か...どこかの誰かが、その「作業」をこなしています。
この作業を一括で自動化してくれるのが、Workatoです。
上記の場合、入社というイベントをトリガー(起点)として、紐付く複数のシステムの更新作業(アカウント新設)を実行してくれます。
自動化すれば、抜け・漏れ・間違いがなくなり、担当者の工数、負荷も大幅に削減できます。
ビジネスプロセスの自動化を進めよう
Workatoには、1000以上のサービスをつなぐコネクタがすでに用意されています。このアプリコネクタ同士で作ったワークフローを「レシピ」と呼んでいます。
ちなみにリックソフトは、Kintone、オンプレミス環境であるAlfresco、MattermostとWorkatoをつなぐコネクタを開発し提供しています。
すぐに流用できるレシピが多数あり、自分の用途にあったレシピがあればノーコードで統合できます。技術者に頼らず、実行条件などプロセスが設定できれば、誰でも独自レシピを作ることができます。ローコードで容易なアプリケーション間の統合ができ、業務効率化が期待できます。
<そのほかのレシピ例>
DocusignでサインされたドキュメントをGoogleドライブの特定フォルダに自動格納
DocuSignの署名依頼から署名済みドキュメントのJira関連課題へのアップロードを自動化
SlackとWinActorによるレガシーシステム連携
kintoneやWinActor、Boxを使ったWebサイト向けの価格データ作成とFTPアップロードによる自動更新
SAP Concurに経費報告書が登録されると関係承認者のSlackに通知される
Microsoft Dynamicsに登録されたコンタクトリストをMarketoと同期する などなど...
Zapierとなにがちがうの?
iPaaSはWorkatoのほかに日本発のanyflowや、フリープランがあるzapierがあります。noteでは「zapierを使って自動化してみた」記事がたくさん上がっていますね。
ZapierはSaaS同士の連携に特化しており、オンプレミス環境には対応していません。またZapierは単純な「IF/THEN」のワークフローは組めますが、Workatoは3分岐以上の複雑な命令系統に対応しています。より柔軟なワークフローを作ることができます。
ガバナンスに関して、Workatoは細かい権限設定や、レシピのバージョン管理が可能です。操作ログや、実行ログなども残してくれるので大組織での制御がしやすいです。
Zapierなどはあくまでも個人レベルでのデータ連携が実現可能です。エンタープライズレベルでの業務の自動化を実現したい場合には、パワフルなWorkatoが頼りになります。
Workatoの対応アプリ(コネクタ)の種類は順次増えており、わたしたちリックソフトも、日本の企業に使われているサービスと連携できるコネクタを今後開発していく予定です。
お値段は?
Workatoはレシピ課金となります。そのため用途や規模数で料金が変動するため一概にいくらかは提示できません。是非一度、問い合わせください。
*日本の企業でWorkatoとZapierを併用している会社もあります。
*リックソフトからのWorkato利用申し込みであれば、Kintone, Mattermost, Alfresco各コネクタの利用サポートが受けられます。
向いている企業
導入に向いている組織をまとめると、
従業員数が多い企業・大規模組織
複雑な作業が業務自動化できれば、可処分時間を捻出できる企業
データ連携にその都度システムを構築しており、メンテナンスにかかる費用を浮かせたい企業
にはWorkatoが向いています。
Workato JapanがJR東日本に出している広告のフレーズで、「時間に追われるか、未来を追うか」というものがあります。従来、人力でやっているデータ連携の作業を自動化すれば、可処分時間を捻出でき、未来に向けて時間を使うことができる、という意味と解釈できます。
ナビタイム・ジャパンさんのnoteによると毎月5-10時間の作業時間削減ができたそうです。