Jiraなどの「チケット」ってなあに?プロジェクト管理・タスク管理ツールも解説! #IT企業転職あるある
IT企業に転職して、エンジニアやプログラマの人に何かお願いすると「チケットで依頼してください」「口頭(あるいはチャット)じゃなくて、課題作ってください」「うちのチームへの依頼はぜんぶ起票してください」といわれて困惑したこと、ありませんか?
人々に話を聞いてみると、チケット(課題)管理ツールで仕事が完結している職種と、そうでない職種の間で分断が起きている企業があることがわかりました。むしろ「IT企業に転職した非開発者あるある」とも言えそうです。
「チケットって??千葉のやつ?ユニバ?」「課題って?レポート書けばいいの?」と、何を依頼されたのかわからずと戸惑っている人に向け、チケット(課題)管理の背景をご紹介します。
チケット=タスク管理ツールの一単位
「チケット」とは、プロジェクト管理ソフトウェアの用語
IT業界におけるチケットとは、プロジェクト管理ツールで、「業務の開始(スタート)」から「成果物完成(ゴール)」へ至るまで、やらなければならないこと(要件)を1つのページにまとめたものです。
■「何を」しなければいけないのか
◼「誰が」実行するのか
◼「いつまでに」実施するのか
◼「何が」できたら「完了」なのか
の定義ができるよう、ページ内に
「担当者」「進捗」「期限」「優先度」「推測所要時間」「見積所要時間」「進捗ステータス」「引継ぎメモなど関連情報」といった情報を集約しています。
ソフトウェア開発現場では、Jira Software(旧JIRA,ジラソフトウェア)、Redmine(レッドマイン)、Backlog(バックログ)といったプロジェクト進捗管理ツールを利用しています。
このタスク関連情報をまとめたページの単位を、Redmineでは「チケット」、Jira Softwareとbacklogは「課題」と呼んでいます。
他部署の方に何か依頼した際、「チケット(または「課題」)を作って」と言われるのは、「その組織で使っている課題管理ツール(Jira, Redmine)で、担当者や進捗、依頼内容をまとめたページを作って依頼してほしい」という意味です。
「チケット」はタスク管理の一要素。なぜ「チケット」と呼ぶのか:
前述のとおり、チケットはRedmine用語です。
開発現場で使われているプロジェクト管理ツールのシェアデータはありませんが、Googleでの検索ボリュームを調べる「Googleトレンド」で検索すると、以下の通り...
Redmineはオープンソースで、無料でインストールできるツールのため、開発環境整備の予算がない組織などでも利用されてきました。「いまはJiraやBacklogを使っているけど、むかしRedmineを使ってたからその名残でチケットって言っちゃう」という人もいるようです。
小売業のポップアップ出店のタスク管理業務で「チケット化」を考える
ソフトウェア開発ではない業態では、こういった業務の管理をどのようにやっているでしょうか。
パソコン導入が普及する前は、手書きのバインダーやファイル、帳簿など紙でまとめていました。令和の今でもIT化をする機会がなかった中小企業は同じ方法を続けています。ある町にある、お年を召した地主さんが夫婦で切り盛りしている不動産屋さんは、PCを導入する機会もメリットもなかったので、留守番電話と電卓と台帳とボールペンがメインの仕事道具だそうです。
ただし、ビジネスが大きくなり、一緒に仕事をするメンバーが増えると、口頭や紙のメモベースでの仕事管理には限界ができてきます。ホワイトボードなどで誰が何をしているのか書く風景も、かつてはよく見られました。
ある程度IT化が進んだ企業は、メールの履歴、Microsoft社のExcelあるいはGoogleスプレッドシート、そのほかグループウェアで管理しているようです。
上は、ある食品小売企業がポップアップストアの出店にかかる作業をまとめたスプレッドシートの例です。「契約書紛失?」、例とはいえなんだか気になるメモですね。
共有サーバー、あるいはクラウド上に保管したスプレッドシートをチームしで共有し、メンバーがプロジェクトの進行状態を書いて情報共有するスタイルです。「〇〇の件、誰がやってるの?どこまでやったの?」と確認せずとも、テレワークの人も誰でも自分で管理ファイルにアクセスすれば必要な情報を得られます。
チケットでの課題管理システムの場合、この1行分の「出店店舗」「契約先相手」「衛生届」「衛生責任者」「承認者」「捺印」などなど出店にかかるtodoを「チケット(課題)」1つ分で管理する、というイメージです。
なぜ人類は「チケット」を必要としたか
なぜ人類ーー、もとい、開発現場の人々は、チケットーーもとい、プロジェクト管理ツールを使うことになったのか。
チケット(制度)の特徴は、スタートから終了まですべてのTodoを、いつ・だれがやったのか、記録されていることです。
管理職などプロジェクトマネジメント(PM)をする側、プロジェクトを遂行するユーザー側それぞれにメリットがあります。見てみましょう。
プロジェクトマネージャーのプロジェクト管理ツールのメリット
誰が何をやったのか・どのくらい時間がかかったのか記録されているので、工数管理・時間管理などスケジュール管理がしやすい。リアルタイムで、遅れの可視化が明確
チームメンバーの仕事量が個人単位でわかる。メンバーの仕事の偏りがないか・チーム全体の生産性を確認し、効率的なプロジェクトの指標になる。
todoの優先順位を設定しメンバーが優先順位ごとに仕事を消化する仕組みを作ればチームの業務効率化につながる
など、主にプロジェクトゴールまでを管理が容易です。
プロジェクトメンバーから見たプロジェクト管理ツールのメリット
Jira Softwareでは標準装備で、Redmineではプラグインを入れることで、タスクを「カンバンボード」で進捗を可視化することができます。漏れているタスクがないかををチェックしやすい。
コメント欄、概要欄で「今日はここまでやりました」「〇日までかかりそうです」というようなかんたんなコミュニケーションが可能
担当する業務が通知される
自分がやらないといけないタスクは何か・忘れているタスクはないかを視覚的に把握できます。各タスク管理ツールとも、カードを簡単にドラッグ&ドロップでステータスを変更でき、直感的な操作性が気持ち良いです。
WBSやガントチャート、タイムラインで進捗がぱっと見でわかる
エクセルでもWBSやガントチャートのテンプレートを用意していますが、複雑な関数を使っており、うっかり関数を消してしまうとうまく作動しません。
また、プロジェクトが膨れ上がり行・列が増えると表示にとても時間がかかります。プロジェクトの規模次第では効率的な運用ができません。
関連情報を集約できるので、メール、カレンダー、議事録など複数のツールを使い分ける必要がない。
タスクごとに「優先順位」が設定されている場合、高いものから仕事ができる。
などなど、利用者側でも使える機能がたくさんあります。
多くのプロジェクト管理ツールは、拡張機能を追加して設定項目のカスタマイズが可能です。
IT以外の領域で活躍の場が広がるタスク管理ツール
リックソフトではプロジェクト管理ツールとしてJira Work Management(ジラ・ワークマネジメント)を提供しています。(IT開発用のものは”Jira Software”といいます)
当初はITシステム・ゲーム・製造など開発現場で使われていたプロジェクト管理ツールも、「タスク管理ツール」としてIT以外の領域で使われることが出てきました。
急にテレワークを余儀なくされ、誰がどのタスクを持っているのか可視化することが非IT分野でも重要視されつつあるためです。
さきほどの小売店の出店管理表の「アトレ岐阜店」の項目を、Jira Work Managementでチケット化すると...
どうですか。ここまで読んで、チケット管理ツール・プロジェクト管理ツールが気になった方もいるのではないでしょうか。
2022年現在、プロジェクト管理ツールはAsana(アサナ)、Wrike(ライク)、Notion(ノーション)、Trello(トレロ)、Jooto(ジョートー)、などさまざまなツールが台頭しています。noteでも話題になっているものがたくさんありますね。個人利用であれば無料ツールでも十分かもしれませんが、エンタープライズ・組織利用となると、選定ポイントが変わってきます。
はやりのツールを無理やり使うのではなく、「使ったらどんな効果を得られそうか」「導入したらチームが抱えている問題を解決できるか」「使ってるみんな幸せになれるか」という視点で選んでみてくださいね。
リックソフトは、数あるタスク管理ツールの中でもアトラシアン社の「Jira」シリーズを扱っています。Jiraを使った業界別タスク管理術を定期的にご紹介していきます!
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